わずかな異変から損傷を予測。
跨線橋300橋の安全を守る。

新庄唯
鉄道設計部鉄道設計課・課長

前橋市立前橋工科大学 工学部卒
2014年入社

専門はコンクリート。点検を元に補修設計を提案し安全を守る

前職も、現在と同じコンクリート構造物の点検でした。協力企業として旭調査設計が請け負った現場に参加することが多く、社の垣根を越えての指導や相談、親身な対応に、「いい会社だな」と思っていました。前社に5年間勤務した後、当社に転職。

これまでの経験を活かしての鉄道の跨線橋の点検に加え、現在では、点検結果を踏まえて補修方法を考え、設計・計画書・コストを出す補修設計にも携わっています。資格取得支援が厚く、学ぶのを良しとする雰囲気が後押しとなり、RCCMやコンクリート診断士資格を取得し、守備範囲を広げることができました。今は技術士を目指して勉強中です。

視点が変わり、考え方が変わった経験。成長の源はここだった

補修計画を担当するようになって1年目に、長岡市の山間部、栃尾地区で沢をまたぐ市道の補修を先輩とともに行いました。調査では、「まず損傷の原因追求を」と思って調査する私に対し、先輩は「この損傷をどのように復旧するか」の観点から、補修作業を念頭に置いて現場を観察。塗料を落とすなら飛散防止のための足場が必要だからここを測る、重ね塗りならこの狭さでも対応できるなど、様々な修復方法の特徴と現場の状況を突き合わせて調査を進めました。

先輩から多くのことを学ぶことができ、修復計画という仕事のとらえ方が変わりました。この経験で技術者として大きなステップアップができたと思っています。

対象は300橋。損傷を先読みし、予防措置をとる

私が担当する山形県酒田から新潟県直江津までのエリアには、跨線橋が約300橋あります。5年ごとの点検が義務づけられて以降、点検はちょうど2巡目に入りました。コンクリートの最大の敵は水、中でも凍結防止剤や海水によるダメージは深刻です。

壊れてからではなく、何らかの異変から損傷を予測して行う、予防保全型の維持管理が理想です。安全性を高めることに加え、工事の難度や期間、コスト面でも大いに優位。そのノウハウを蓄積し、今後に活かしていきたいと思っています。

就職する学生へのメッセージ

最近思うことは、仕事で一番大事なのは、「自分の考えを人に伝えられる」ということ。相手に理解してもらわなければ、次に進めません。仕事の中身は覚えればいいので、中身を届ける方法を持つ人なら、文系でも理系でも建設コンサルタントに向いているのではないかと思います。

手掛けた案件

鉄道会社、民間鉄道を跨ぐ県道や市道などの跨線橋の補修設計業務